手汗と受験
人生最大の大勝負!ここぞって時に手汗?!
●どうしたって焦っちゃうに、決まってる。
高校三年生の時、いよいよ進学希望も決まって、
大学受験に向けて必死で勉強していました。
やりたい勉強に、素敵なキャンパスライフ、夢に向かって今が頑張り時。
一緒に受験する心強い友達もみんなで励まし合い、予備校に通いました。
夏休みも返上して、予備校の合宿に行き勉強一色の日々、大変だったけれど充実していました。
●焦り
そんな夏も乗り切り、希望の大学の受験合格率は、七割といったところ、
自分の弱い教科の弱点も見えてきて、克服するためにさらに勉強をしても、
なかなか模擬試験の点数は上がらなくなってきてしまいました。
「どうしたら、ここを乗り越えるのだろう、
これを乗り越えなくちゃ、あの大学には入れない。」
そんな毎日を過ごしていたら、ますます焦りは募ってきてしまい、
遂には、
受験スランプに陥ってしまいました。
●ストレスがこんな形で
秋口に、スランプを抱えたままも受験勉強を続ける私。
いよいよ本番に向けて、模擬テストの数も多くなってきました。
そんな中、テストに向かう私の体に異変が・・・。
なんと、テストを受けていると、無意識のうちに緊張からか、
大量の手汗をかいていることに気が付きました。
ペン先のグリップが、じっとりとして、いるくらいならまだしも、
熱を持った手汗は、なんと、テスト用紙を湿らせて、へにょへにょにしてしまいました。
紙の素材にもよりますが、湿気を吸いやすいものなんか一発で、吸収してヘナついてきます。
「ええーっ」なにこれ、、初めて、ことに気が付いた時の私は、
驚いて、何の問題を解いていたのかわからなくなるほどびっくりしました。
まずい・・なんと、握りしめたテスト問題が、冊子ごとへなっている。
手汗の湿気にやられまくっている。
焦りはさらに倍増、とすると、手汗も留まる事を知らず、フィーバーしてきます。
調子に乗った、手汗パワーは、なんと、分厚いマークシート用紙までもへならせる勢い。
しっかりと、右手のこぶしを置いていたあたりが、
こぶしサイズにへなってきているではありませんか。恐るべし、手汗パワー。
そうだ、ハンカチを出そう、いや、下手に机の上に余計なものを出したらば、
カンニングと疑われて一巻の終わりだ。
取りあえずは、
ズボンのモモのあたりで舐って拭いて、やり過ごすしかない。
この動作も後からしてみれば、怪しい動きだったと思いますが、
試験官に声をかけられることもなく、無事、手をふくことはできました。
しかし、そのあとまずい状況が、
一通りの問題を解いて、最後に見直しというときに、なんと、
マークシート用紙がへなっていると、消しゴムをかけても消えないし、
無理に消せば破けてしまうかもしれないという危険な状態に気が付きました。
しかし、間違いは治さなくては・・・どうすれば・・
●新たなるストレスへの対策は、ないままに
受験よりもまず、恐るべき手汗の克服をしなければ、本番で全力を発揮できない。
なんとも、まあ、おかしな問題にさらに悩まされ、
本番まであと一か月というところでダブルストレスのどん底。
結局、解決策も見つからないままに、焦れば焦るほど手汗の深みにはまり、
本番当日は、もう、
いつから手汗をかいているのかわからないくらいにかきっぱなしで、
体じゅうの水分が飛ぶんじゃないかと思うほどでした。
焦った時の、「冷や汗」なんてかわいいものだよと、
変に手汗慣れした私は、受験会場でも、ぶれることなく
「汗馬の労」を地でいって、見事受験に合格したのでした。