漢方でゆっくり体質改善♪汗を抑える漢方を紹介
漢方でゆっくり体質改善♪
汗を抑える漢方を紹介
体質改善に効果のあると言われている漢方薬。
もちろん汗に効果的とされるものもあります。
体質改善を目的とした漢方薬ですから、気長に服用することが大切です。
季節により、誰もがゆらぎを体験する体質の変化もあることから、できれば漢方専門医で処方してもらうのがよいでしょう。
その時々に、その人に合った漢方薬を出してくれるからです。
他の病気の治療用に薬を服用していないか、妊娠はしていないか、そのときの体調はどうかと、確認しなければならないことは少なくありません。
ドラッグストアでも手に入るものはありますが、他の事との兼ね合いをきちんと確認するためにも必ず漢方専門医を訪れ、相談してください。
丁寧な説明を受けられる上、必要に応じて保険適用となることもあります。
では、そのような医療機関が出す「汗を抑える漢方薬」にはどんなものがあるのでしょうか。
食生活が原因なら
いわゆる「食の欧米化」により、脂質の高い、ときには非常に辛い物を食べるようになった日本人。
内臓から発する熱を冷ますために使われる漢方薬があります。
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
のぼせを代表とした傾向のある人に表れる、胃炎や二日酔い、不眠症、湿疹、皮膚のかゆみに用いられる漢方薬です。
・茵陳蒿湯(いんちんこうとう)
内臓の発する熱により口やのどが渇きやすい傾向のある人に表れる、炎症や解熱、口内炎にも用いられる漢方薬です。
いずれも、漢方で言うところの裏熱(消化管や内臓器の炎症)を鎮めることで、汗を防ごうとするものです。 お薬の選定の際に、食生活に関してもアドバイスをもらえます。
肥満が原因なら
肥満といっても、内臓脂肪過多の場合と、水分の排泄が上手くいかないタイプがあります。
この肥満により、体内で発する熱を外に出せなくなってしまっていることもあるのだとか。
・防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
水分代謝がうまく行っていない場合に表れがちなむくみ。
行き場のなくなった体内の水分は、汗として外部に出そうとされるようです。
むくみが気になる、汗をかく、疲れやすい、手足が冷えるといった方に処方される漢方薬です。
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
肥満症で便秘がちな人によく見られる、動悸や肩こり、のぼせやむくみに適しているとされています。
肥満症そのものを解消しようとする目的で使用されることもありますので、きちんとお医者さんと相談の上処方してもらってください。
ホルモンバランスの崩れなら
特にのぼせや汗といった「更年期障害」とされる形で現れるホルモンバランスの崩れ。
このような症状ホルモンのバランスが崩れているのなら―加味逍遥散や女神散を穏やかにするために使われる漢方薬があります。
・加味逍遥散(かみしょうようさん)
古くから女性薬として使われてきた漢方薬です。
ホルモンバランスの崩れを整え、更年期障害や血の道症(精神不安やイライラ)を穏やかにし、ホットフラッシュを穏やかに抑えてくれるそうです。
・女神散(にょしんさん)
血行と水分循環を整えることで、のぼせとめまいを穏やかにする漢方薬です。
のぼせによる汗を穏やかにしてくれること、女性特有の気持ちの落ち込みにも対応できることから「女神散」という名前がついたそうです。
精神的緊張からくる汗には
人は常に、緊張とリラックスを繰り返しながら毎日を過ごしています。
この落差があまりなく、常に緊張気味の場合、交感神経が優位となり、発汗に繋がると言われます。
この緊張傾向を緩め、精神の安定を目指して処方される漢方薬もあります。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
精神不安傾向をもち、なおかつ動悸や不眠を訴える患者さんに処方するものです。
動悸や不安、小児夜泣き、精神的な物からくる便秘に効果があるとされています。
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
緊張やイライラから不眠を訴える方、発汗過多による脱水を抑えるために処方する漢方薬です。
更年期障にも効果的とされ、精神的なものからくる動悸にも対応できるとされています。
人間の体というのは不思議なものです。
単に一つの症状を自覚しても、それが体内のどこで、どのように発生して来るのかは人それぞれです。
まずは自分の体質を理解し、その「崩れた部分」をどう修復するかを考えるのが漢方薬処方の目的です。
他の薬やサプリメントとの飲み合わせや、季節ごとに変化する体調に配慮するため、専門医の力を借りましょう。
安心してその漢方薬を飲めるようになるのと同時に、生活面でのアドバイスももらえます。
体質改善することが目的ですので、このような専門家の視点はとても大切。
長期にわたって服用するものですから、可能な限り保険適用の範囲内で処方してもらえれば、ドラッグストアで購入するよりも安価で済むこともあります。
必要なタイミングで必要な物を取り入れ、自分の体質を整えてゆくことが漢方薬を服用する目的です。