自律神経失調症と汗の関係性とは?
自律神経失調症と汗の関係性とは?
特に負荷のかかる運動もしていないのにどっと噴き出る汗を多く経験するようになった、という方はいらっしゃいませんか。
もしくは、初めての人に合う、人前で話さなければならないといった緊張時に脇や額からジワリと汗が…ということもあるでしょう。
そのような時は、自律神経が乱れている可能性があります。自律神経失調症と汗の関係、そしてその対策について調べてみませんか。
そもそも、自律神経って何?
人の身体は、その体の主(あなた自身)が意識せずとも命を保つための働きを着々と行ってくれています。例えば、心臓の鼓動、食物を消化するための胃や腸の動きなどです。確かにこのような大切な器官の働きは自分の意識下にはありませんね。
自然と行われているこれらの器官は、自律神経によってコントロールされています。当然、体温をコントロールするための汗も、この自律神経が司っています。
自律神経失調症とは?
健康不良や、ストレス、生活習慣の乱れなどからこの自律神経が正しく働かず、身体に何らかの不調が現れることを「自律神経失調症」と呼びます。
・急にかく多量の汗
・動けないほどの痛みを伴う胃痙攣
・呼吸の乱れ
・心拍数が増える
・おなかを壊す
・眠りの質が悪くなる
このような症状は、自律神経失調症が原因かもしれません。
自律神経=交感神経+副交感神経
自律神経が体の隅々までをコントロールしていることはわかりましたね。ですが、これが乱れると様々な症状を呈してしまいます。「いつもちゃんと働いてくれるのが自律神経なのでは」という疑問が生じますが、「自律神経=交感神経+副交感神経」であると理解すれば、自律神経失調症の仕組みがわかってきます。
交感神経とは、ストレスや運動といった外的刺激によって各器官の働きを促進するものです。これがあるからこそ、日中の様々な現象に対処できるのです。通勤のために階段を昇ったり、人込みの中でもぶつからないように走ったり…これらの動きに身体全体が瞬時に対応できるよう、「アクセル」の役割を果たすのが交感神経です。
一方、副交感神経は、お風呂にのんびり浸かっているとき、おいしいものを食べているとき、眠っているときなど、リラックスした状態の時に優位になります。つまり、緊張していない状態がそれにあたります。
交感神経と副交感神経がバランスを崩したら「自律神経失調症」の状態
仕事が長時間にわたる、仕事の締め切りで頭を悩ませている、食事の時間や内容が規則正しくない、決まった時間に就寝できない……このような状態は、“現代人の当たり前”となっています。このような状況は、常に交感神経が優位な状態を招き、「アクセルを踏みっぱなし」といってもいい状況となってしまいます。
この状態が続けば、いつかは身体に不調が現れます。是非とも仕事や勉強とプライベートな時間とをきちんと切り分け、リラックスできる環境を整えなくてはなりません。
自律神経失調症で汗が?
緊張を強いられる場面において、どんな方でも経験をするのが「汗」「心拍数の上昇」「呼吸の乱れ」ではないでしょうか。人前に出るときでも全く脇や背中を伝う汗なんて経験したことはありません、という人に出会うことの方が難しいことでしょう。
緊張は汗を呼ぶ……ごくごく自然なことではありますが、「汗を人に見られないだろうか」、「ああ、そうか、自分は緊張しているんだな…」と、汗が更なる緊張を呼ぶことがあります。
もうここはひとつ開き直っていただきたいと思います。緊張すれば人は汗をかきます。心拍数も上がります。呼吸が乱れ、きちんと話すことができないこともあるかもしれません。
ですが、注意が必要なのは、自分自身でストレスを自覚していないにもかかわらず、汗を代表とした緊張状態を経験することです。このようなときに初めて、自律神経失調症を疑わなければなりません。
常に汗をかく、身体がこわばる感じがする、ドキドキが治まらないといった現象に遭遇するようになったら、一度専門の医師の診断を受けるべきかもしれません。
病的ではないと診断されたら
念のため医師の診断を受けてみても、病的と呼ぶほどではないとされたのであれば、自分自身の生活を見直すこととなります。もちろんお医者様もアドバイスをくださるはずです。
・規則正しく、充分な栄養を摂取できる食事を心掛ける
・充分な睡眠時間の確保
・緊張を解くための軽い運動や趣味を持っているか
このような基本的なところから、日常生活のありかたを振り返ってみましょう。 特に
・ぬるめのお風呂にじっくり浸かる
ことは、今日からでもとりかかれることです。寒さや緊張で縮こまった体を解き放ち、心地よい睡眠への鍵となる行動ですから、入浴の時間の確保もとても大切です。もちろん、かいた汗をきちんと洗い流すことにもつながりますから、すぐにでも始めたい習慣です。ひとりでゆったりと過ごす時間を日常的に取り入れるには、入浴と睡眠はワンセットと覚えておきましょう。
生活を振り返ってみる事で、自律神経失調症一歩手前の状況を上手に回避する手段が見つかるかもしれません。