脂漏性皮膚炎は汗で「こじれる」…フケやAGA問題にも発展!
脂漏性皮膚炎は汗で「こじれる」…フケやAGA問題にも発展!
冬は空気の乾燥から、フケが多くなるという方も少なくないのではないでしょうか。また、着る服もダークな色合いが多くなりますので、目立って恥ずかしいと思うシーンも多いはずです。
そのフケ、本当に単純なフケなのでしょうか。フケとは皮膚が剥がれ落ちる自然現象で誰もが経験するものですが、最近急に増えたという方は、少し注意が必要かもしれません。
脂漏性皮膚炎とは
大き目のフケ状のものが頭皮の一部にびっしりと表れるようになったら、脂漏性皮膚炎を疑ってみる必要があります。脂漏性皮膚炎とは、皮脂をエサにマラセチア菌が増殖することで起こる炎症です。
ひどくなると、特に額(生え際)やこめかみ近辺が真っ白に見えるようになり、スタイリングのためにブラシやクシを通すたび、フケがとめどなく落ちてくるようになります。スタイリング剤にそのフケが付着し、一日不快な思いをしながら過ごさなければならない方もいらっしゃいます。
まず、試していただきたいのは、抗真菌剤配合のシャンプーです。ドラッグストアのシャンプーの棚に並ぶ商品の中で、「フケ・かゆみ用」と表記されていて、なおかつ少々お値段が高めのものがそれです。明確に「抗真菌」などと書かれているものを購入し、使ってみてください。皮脂と汗をしっかりと落とすため、頭皮に傷をつけないよう指の腹で丁寧にマッサージをし、しっかりと泡を洗い流しましょう。
もしもそれで治まるようならば、原因はやはりマラセチア菌による脂漏性皮膚炎の可能性が高いです。
真菌との戦いは続く
脂漏性皮膚炎というだけに、頭皮の皮脂と真菌が原因です。一度のシャンプーですぐに完全に治まることはありませんので、気長に頭皮ケアをしなければなりません。特にワックスやジェルなどの「がっちり固めるタイプ」のスタイリング剤を使う方は髪と頭皮のために毎日のシャンプーをしてください。
そして、マラセチア菌の増殖を最低限に抑えるために、頭皮をきちんとドライヤーで乾かしてください。湿気、洗い残した汗や皮脂など、菌の好む環境のまま眠ってしまうと、また増殖してしまいます。髪が傷むのが怖いという方でも、せめて頭皮だけはきちんと乾かしたいものです。
頭部は汗腺が多く、帽子やヘルメット着用、まとめ髪で汗もたまりやすい条件が整っていて、これが菌の好む環境を作り上げている面も否めません。毎日のシャンプーとドライヤーで「長期戦」を行わなければなりません。
せっかく皮脂や汗を洗い流してきれいな状態になった髪・頭皮も、昨夜と同じ枕カバーに接する状態で眠ってしまえばケアの意味がなくなります。枕カバー(もしくは枕にかけるタオル)を毎日交換することも大切なポイントです。
食生活においても、脂質代謝や皮膚の炎症と関係の深いビタミンB2やビタミンB6の摂取で脂漏性皮膚炎が軽減されることがあります。レバーや納豆、卵、まぐろ、かつおなどを食事に取り入れてみてください。
男性は注意! AGA治療も頭皮の健康から
男性は特に注意が必要です。男性ホルモンのいたずらにより脱毛が進む状況を「AGA」と呼び、ヘアケア専門のサロンやクリニックも増えています。このようなクリニックやサロンでも、まず頭皮環境を健全なものにするために脂漏性皮膚炎はないかを確認し、もしも脂漏性皮膚炎の症状があるのならそれに対応したケアから着手します。頭皮環境を整えなければ、AGA治療にとりかかっても好ましい手ごたえが得られないからです。頭皮環境を健全なものにしてはじめて、育毛剤・AGA治療に用いる薬剤の効果をより高めることができます。
抗真菌剤配合シャンプーを使用してもひどくなるときは皮膚科へ
毎日丁寧にシャンプーをし、頭皮をドライヤーで乾かしても症状が長期にわたって治まらない、もしくはひどくなっていくようであれば、皮膚科を訪れてください。脂漏性皮膚炎と診断されれば、ステロイド剤(副腎皮質ホルモン)を指示通りに気になる場所に塗ってください。ある程度炎症が落ち着いたところで、抗真菌薬を使用するようにいわれます。
保険適用で治療が受けられますし、医師による診断がされることで、フケの原因がはっきりわかり、どう対処すればよいのかがわかります。それだけでも精神的なストレスから解放されるのではないでしょうか。通院をくりかえしていくうちに、その時々の症状に応じた対応法もわかってきますので、安心です。
まとめ
頭皮の皮脂や汗が、思わぬトラブルを引き起こし、日常生活に精神的ストレスを及ぼすことがあります。基本はやはり「清潔」。毎日頭皮の状態をチェックし、フケや湿疹がないか、もしもあればひどくなってはいないかを確認してください。
頭部には、私たちが思っている以上の汗腺や皮脂腺があります。ニオイは自分でわかりづらいものですが、フケ・湿疹はある程度目で見てわかるものですので、シャンプー後に髪をかきわけて「目視」でのチェックも怠らないようにしたいものです。
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